中小企業で働く人はリスクが大きい⁉ヤバいシグナルを見極めアクションすべき
中小企業の定義って何?
自分は紛れもない、中小企業の一員と自認しているが、「中小企業の定義」については、気にしたこともなかった。
今後調べることもないだろうが、「日本は、中小企業が多いから成長できない」みたいな議論もされているようで、実際どうなのか調べてみる。
中小企業の定義
業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
※上記にあげた中小企業の定義は、中小企業政策における基本的な政策対象の範囲を定めた「原則」であり、法律や制度によって「中小企業」として扱われている範囲が異なることがあります。
出展:中小企業庁HPより
細かくは例外があったりするようだが、概ね、「業種/資本金/従業員数」で決まるようである。驚いたのが、中小企業の割合。99.7%!
実は海外先進国も同じような比率らしいが、日本は特に小規模企業の割合が先進国の中でも圧倒的に高いらしい。(厳密には各国基準が異なるので一概には言えないが)
よく考えればこの比率は「そりゃそうだろ」って感じなんだが、改めて数字で見るとインパクトがある。
日本の労働力の低さは中小企業のせい⁉
そして、少し前に議論にされていた、
「日本の生産性が低いのは、中小企業のせい」というのを自分なりに解釈していきたいと思う。
2018 OECD「労働生産性の国際比較」
まず先進36か国で構成されるOECD「経済協力開発機構」のデータによると、労働生産性は36か国中18位と中位、G7では最下位らしい。
労働生産性は、「より少ない労力で多くの経済的成果を生む」ということだが、あまり高くないといえる。
これ以上掘り下げる知識もないが、これに連動するように中小企業の国際比較においても著しく生産性に劣るようである。
一般に、「製造業は生産性が高く、サービス業は低い」といわれるが、サービス業は労働集約型の産業だから、規模の経済性を追えないので、当たり前。自分も中小企業に所属しておりサービス業にあたる業界にいるが、「生産性が低い」のは非常に思い当たる節がある。
もちろん構造的な問題も大きいが、文化的背景が非常に大きい感じがする
- 縦割り組織
- 無駄な会議、報告
- 過剰なサービス
- 一つの業務に人関わり過ぎ
- 同質性を好む
よく言われることだが、本当にそうだろう。これに加えて、もちろん優秀な経営者もいるが、いわゆる「経営をわかっている経営者」が非常に少なく素人染みている。
もちろん中小企業すべてという訳ではないが、これら要素を多分に含んでいる中小企業は多い。結果、賃金が低く、生産性が低い会社が出来上がる。中途半端に中小企業支援が日本は充実しているので、存続も多少しやすい。サービス業だけではないが、労働集約型産業の中小企業は特にこの傾向が強そう。
大企業 VS 中小企業 の図式 は全く意味がないし、そもそもの資本が違うし、人材の質もまったく違うので、比較してもしょうがない。
「日本の生産性が低いのは、中小企業のせい」というのは、まあそう思う。経済的・専門的なことは言えないが、国民性が大きそうだなあと思う。
生産性の低い中小企業はつぶした方がいい!?
これも結構言われているが、生産性の低い中小企業は保護せず、「どんどんつぶした方がいい」「国も論理なく保護する必要はない」みたいな話がある。自分も中小企業に所属してるので、つぶれたら困る。。
ただ、経営がうまくいっていないサービス産業の会社がつぶれまくると、顧客もサービスを過剰に求めなくなるので、合理的とも感じる。一方でこれはさらに資本が集中しそうな気もする。
経済のプロではないので、専門的なことは言えないが、「どうすりゃいいんだ?」という問いに対して、結論個人でできることは、多くない気がする。
このような要素が多いと感じ、
自分の場合は今のところ、後者「使う時間を極限まで下げる」というところに留まっている。確かにダメな中小企業は多いかもしれない。
日本の成長を中小企業が阻害しているという問いは非常に短絡的な感じもするし、「昔も非効率だったろ!」という突っ込みを入れたくもなる。
少なくとも個人の視点でいうと、そういった会社に依存している危険といえるだろう。
じゃあ何をすればいいのか?どうすればいいのか?は常に考えて、成長産業に身を置くなり、今の仕事の一本足打法にならないように複業を検討したり、アクションした方が良いだろう。特徴のない中小企業に属すというのは基本的にリスクが大きいと考えるのは正しいと思う。
副業から複業の時代へ、複数の仕事をすることが当たり前の時代に何からすべきか?いまや副業をすることは当たり前といってもいい時期に突入したが、一体何から始めたらいいのか見当もつかないという人も多いだろう。一つの視点として『自分の多様性』とい[…]
副業は当たり前の時代へ、海外の副業事情からみる日本の副業とは?副業ではなく、「複業」の時代へよく「日本は欧米に比べ副業制度が遅れている」というのを耳にする。様々なシーンで聞かれる「欧米に比べ、日本は遅れている」シリーズの一つかと思う[…]
会社員がポートフォリオワーカーになる時代へ ポートフォリオワーカーとは何なのか?ポートフォリオワーカーという言葉を聞いたことがあるだろうか。今後『働き方改革』どころでなく、働き方は大きく変革する時代になるかもしれない。[…]