金はアメリカの外貨準備高の80%弱!? 金投資はありなのか?初心者にも分かりやすく解説

金投資の基礎知識

日経平均が30,000円にタッチし、株式市場は活況であるが、「金」の投資はアリなのか?ナシなのか?

分散投資の考え方を前提に「金投資」の有効性を探っていきたい。

  • そもそも金投資とは何なのか
  • 金を取り巻く環境
  • 投資方法とメリット/デメリットは?
  • 投資の目安は

など、初心者にも分かりやすい形で考察していく。

 

金(ゴールド)投資とは何なのか?

金(ゴールド)投資とはその名の通りであるが、「金」を金融資産として投資することである。

「有事の金」と言われるように、戦争など国際情勢が緊迫したり大きなクライシス・インフレ時に金価格が上昇する傾向にある。

 

金は有事のときばかり脚光を浴びるイメージがあるが、「希少性が高く、相場も安定感が高い」と言える。

基礎的なポートフォリオに組みいれるべきベーシックな投資対象と言える。

 

すぐに「金は儲かるのか?」という質問を受けるのだが、

クライシスやインフレ時に強い特徴を持った資産とは言えるが、基本的に「儲かる」という視点で持つべきものではないと考えている。

 

アメリカの外貨準備高の80%弱!? 世界の中央銀行・公的機関金保有ランキング

あまり馴染みがないかもしれないが、世界各国の中央銀行は相当な金を保有している

 

世界の中央銀行・公的機関保有ランキング

RANK国名金準備(t)外貨準備高
1米国8,133.4678.70%
2ドイツ3,362.4576.10%
3IMF2,814.04
4イタリア2,451.8470.70%
5フランス2,436.1966.00%
6ロシア2,298.5323.70%
7中国1,948.313.50%
8スイス1,040.006.10%
9日本765.223.30%
10インド676.617.00%
11オランダ612.4569.00%
12トルコ544.1539.80%
13ECB504.77
14台灣423.634.80%
15カザフスタン387.8666.10%
16ポルトガル382.5778.90%
17ウズベキスタン332.4957.90%
18サウジアラビア323.074.10%
19英国310.2910.50%
20レバノン286.8340.10%

出典:WBC(ワールド・ゴールド・カウンシル)※金の国際調査機関のデータをもとに作成

 

これを見ると、アメリカの外貨準備高の78.7%!

 

尚、外貨準備高世界一の中国は、3.5%とシェアは低水準に見えるが、金算出量は14年連続首位となっており、

対アメリカを想定し、ドル依存度を下げるべく金保有を着々と積み増している。

外貨準備高:各国の通貨当局の管理下にある、直ちに利用可能な対外資産のこと。自国通貨以外の外貨を保有することを指す。外貨準備高はその保有量で、外貨準備は主に、対外債務の返済や貿易等の取引における決済等に用いられる。

 

簡単にいうと、
金の最大の株主はアメリカ。中国・ロシア等列強各国も着々と積み増している状況

 

アメリカ様が大株主ということなら安心ということで、各国も対抗するようにこぞって買い集めている状況である。

世界の中央銀行が大量に保有するということは、それだけ安全資産であり、その地位を高めている証左ともいえる。

 

金の価格推移と取り巻く環境

ここ20年の金価格の推移を見てみると金価格は右肩上がりの変遷をたどる。

【現物小売金額ベース】

  • 2000年1月 : 約1,000円
  • 2005年1月 : 約1,450円
  • 2010年1月 : 約3,300円
  • 2015年1月 : 約4,800円
  • 2020年1月 : 約5,500円
  • 2021年1月 : 約6,200円

ご覧の通り、ここ20年程度で見ても6倍程度になっている。

この間、様々なリスク材料やクライシス・経済危機があり、それをくぐりぬけるように右肩上がりに価格を上昇させてきている。

 

今後も上がるのか?という話だが、「正直分からない」。

ただし、底堅さはあるので、ヘッジや分散投資の一部を担う金融資産としては有効であろう。

 

現状取り巻く環境は、

  • コロナ禍においてしばらく続く量的緩和
  • 株高・金高の特殊状況
  • 超低金利時代
  • アフターコロナを見据えたインフレ警戒
  • 今後の米中の争い

 

株と金は歴史的に逆相関をするが、現在は「株高・金高」の特殊環境である。

ただ、基本的には今後この流れは通常の逆相関に収れんしていくと思うので、

株式が下落したとき・量的緩和が解かれたアフターコロナにおけるインフレ等を考慮してのヘッジ資産としても有効であると考える。

 

おすすめの投資方法と、そのメリット・デメリット/投資目安

金というあまりなじみがないかもしれない投資に対して不安を覚えてしまう人もいるかもしれない。

 

個人的には、投資というより「逃避」として考えている。

金は、投資より「逃避」という考え方
逃避とはどういうことかというと、「儲ける<備える」の文脈で捉える。
このことから、有事になってからではなく平時からコツコツ貯めるように投資をすることを勧めたい。
その考え方で、投資方法について紹介していきたい。

投資方法は?初心者は「純金積立」がおすすめ

いくつかの投資手法が、あるが結論からいうと初心者は「純金積立」で良いと思う。

それぞれの投資手法とメリットデメリットをまとめていきたい。

投資方法①純金積立

初心者おすすめ度

純金積立は、定額または定量で毎月自動的に金を購入してくれる投資方法。通常1000円単位で積み立てができる。

 

メリット

・月々1,000円から手軽に始められる

・積立はドルコスト平均法で定期購入されるので、価格変動リスクを抑えられる

・手元で金を補完する必要がない

ドルコスト平均法:一定期間ごとに、一定金額買い続ける投資手法

デメリット

・手数料が比較的高め

・保管方法により業者の破綻リスクあり

・売却益が一定額を超えると確定申告が必要

 

投資方法②ETF

初心者おすすめ度

ETF(上場投資信託)を活用した金投資方法。

メリット

・証券口座で購入でき、一元管理できる

・手数料が安い

 

デメリット

・購入タイミングは自分次第(自動積立できない)

 

投資方法③金地金

初心者おすすめ度

ゴールドバーなど、金そのものの購入をする投資手法。超シンプル。

 

メリット

・現物を手元における(高揚感あり)

 

デメリット

・盗難リスク

・手数料が高い

他にも投資信託や先物などの投資方法があるが、ここでは省く。

初心者には多少手数料は高いものの、気軽に始められ毎月一定額をドルコスト平均法で積み立てる「純金積立」が良いのでは。

単純に知識が必要なくても、その時(有事の際)まで放置しておけばよい。

純金積立ならSBI証券

 

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投資目安:どれくらいの投資をすれば良いのか?

では、どれくらいの目安で投資をすればよいのだろうか。

これは人によるが、金融資産の5%程度というのが定石なので、この金額を目安としたい。

あくまでもリスク分散の一つとして考えておくと良いと思う。

 

金は利息や配当を生まないので、大きなシェアで持つというより情勢の変化やクライシスなどに強い為、

有事に備えて一部のポートフォリオに組み込むという考え方が良い。

 

金相場は今後どうなるかは知る由もないが、有事に強く・安全資産の側面といった基本的な金の特徴を捉え、

平時から、そして長期視点でうまく投資をしていくことを考えていきたい。

 

※投資は自己責任でお願いいたします

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