酒税変更⁉2020年10月からビール値下げ、ワイン値上げ!他はどうなった?

酒税変更⁉2020年10月からビール値下げ、ワイン値上げ!他はどうなった?

2020年10月1日より酒税率が変更となった。大して話題になっていないが、2026年まで更に段階的な税率改定が決まっている。

家計を運営する消費者の知識として、最低限抑えておくべき知識をまとめる。これを知っていることで『賢い消費者』に一歩近づくことができる。

 

なぜ酒税率を変えるのか?「税収UPのため」

メインどころでいうと、

ビールは値下げ、新ジャンル(第3のビール等)は値上げ

 

なんで、コロナ禍のこのタイミングで酒税率が変更になるのか?

実は2018年4月に改正酒税法が施行され、段階的に酒税率が変わることは既定であった。

そして、なぜ改定するかというと、

 

酒税収入を増やしたいから』

 

旧来より『酒税』は税収の柱であり、特にビールは酒税の大黒柱を担ってきた。

米国の約10倍、ドイツの約19倍と言われるほど、日本のビール酒税率はバカ高いと言われているが、それでも売れ続けていてまさに「金の成る木」であった。

 

米国の約10倍、ドイツの約19倍と言われるほど、日本のビール酒税率はバカ高い

 

現在年々消費量は減り、税収が一貫して下がっている

明治時代は国税の3割強を占めていた酒税だが、現在では国税の約2の低水準。

 

明治時代は国税の3割強を占めていた酒税だが、現在では国税の約2の低水準。

 

国としては低水準ながらも税収を少しでも上げたいという気持ち。

一方、ビールメーカーも「高い酒税率が適用されるビールでは売れない!」と嘆いてばかりもいられない。

 

高い酒税率が課されない、『発泡酒』『新ジャンル(第3のビール)』など、規制をかいくぐって努力し、新商品を開発し続けてきた。

 

国としては、高い酒税率が課されない開発をされると「税収」が上がらない。

メーカーは売れないと困る → 新商品開発 → 規制する → 新商品開発を繰り返す。

ビールカテゴリーは、まさに「いたちごっこ」であった。

 

 

発泡酒や第3のビールは、日本独自の『ガラパゴス商品』で、酒税に振り回され、生まれた産物

ということを改めて覚えておきたい。

そして結局、

2026年10月には「ビール」、「発泡酒」、「新ジャンル」の区分がなくなり、「発泡性酒類」に一本化され、同税率が適用されるようになる(予定)

 

なんのこっちゃ、、、という感じ。

国としては、「同じような酒類間の税率格差を解消し、税負担の公平性を回復する」という理屈だが、そもそも自分で蒔いた種だと思う。

 

とにかく税収を上げたい!という強い思惑がある。

 

 

ビールは安く、新ジャンル(第3のビールなど)は高くなる!

今回の税率改定により、ビールだけでなく他のカテゴリーのお酒にも影響がある。

以下ざっくり、酒税「アップ」「維持」「ダウン」ごとに見ていく(350ml換算)

 

酒税率が上がるお酒

  • 新ジャンル(第3のビールなど):28円 ⇒ 約38
  • 果実酒(ワインなど):28円 ⇒ 約31.5

 

酒税率が変わらないお酒

  • 焼酎:28円 ⇒ 約28
  • 発泡酒(麦芽比率25%未満):47円 ⇒ 約47

 

酒税率が下がるお酒

  • ビール:77円 ⇒ 約70
  • 発泡酒(麦芽比率25%~50%):62円 ⇒ 約59
  • 清酒(日本酒):42円 ⇒ 約38.5

 

改定前だと、ビールと新ジャンルで約50円の差(350mlあたり)!

 

1ケース24本で1,200円の差となる。

そりゃあ、新ジャンル選ぶ人多いでしょ。。

今回の改定は簡単にに言うと、

需要が減少しているビールや日本酒は税率を下げる
需要が堅調な新ジャンル(第3のビールなど)やワインは税率を上げる

 

これが価格に反映されるので、価格変動し需要バランスが変わる。

コロナ禍でステイホームが多くなっている今、自宅でお酒を楽しむ人にとって多少なりとも影響はあるだろう。

 

「ぜったいビールじゃないとダメ!」って人には良いが、庶民の味方「新ジャンル」は単純値上げになるはずなので、財布を直撃する。

 

税率ちょこちょこいじって、正直セコイ感じがする。

酒は完全に酒税に振り回されている現状

 

もっと本質的にうまい酒を造るように競争原理を働かせるとか、需要をうまく喚起するとか、そういう部分での取組みをしてほしい。

 

 

2026年にビール系飲料は税率統一!結局統一すんのか!って感じだけど、これ意外と知らない。

 

数々のビール系ガラパゴス商品が生まれたが、2026年以降税率による恩恵は受けれなくなる。

 

CMでお馴染みのふるさと納税サイト【さとふる】

ちなみに現在のビール系飲料は、以下が定義となっている。

ビール

麦芽使用比率が50%以上、副原料の使用割合を麦芽の5%未満にしたもの。

※ビールは使用できる副原料が決まっている

※以前は麦芽使用比率「67%以上」であったが、2018年4月の改定で「50%以上」となった。

 

発泡酒(麦芽25%~50%)

麦芽の使用比率が50%未満、副原料の使用割合が5%以上であるもの

※麦芽比率50%以上であっても、ビールに使える原料以外のものも

 

新ジャンル

発泡酒に麦由来のスピリッツや焼酎を加えたもの、麦や麦芽以外を発酵させたもの。海外ではビールとして流通していても、上記日本の定義だと「発泡酒」に分類されることも多い。

で、

上記のカテゴリーごとに税率が変わっているので、この税率を段階を経て統一化(2026年10月)

下記がその段階である。

 

 

財務省「平成29年度税制改正」

 

名目上、「酒類間の税負担の公平性を回復する」ということだが、、、

  • 規制の産物として開発された新ジャンルや需要堅調なワインの税率を上げ
  • 売れてないビールや日本酒の税率を下げ

 

税収を少しでも回復したい!

ということだろう。

 

酒税のことを考えて、酒を飲むとまずくなりそうだが、この知識は知っておいてもいいかもしれない。

そのうち「第3のビール」なんてのはなくなるのだろうか。。

 

 

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