長く続く町中華は優良企業であるという事実
町中華が好きなので、ふらっと入ることが多い。
ざっくり平均月3回(昼夜合わせて)、年間36食はお世話になっている計算になる。
「今日は町中華にしよう」と決めていることは少なく、ほぼ惰性で選択しているのだが、
町中華係数がそこそこ高いと自負している。
何が年間数十回も足を運ぶ魅力なのだろうか。
長く続いている町中華=優良企業という考え方を元に『町中華の経済学』として、考察していきたい。
人を惹きつけ離さない町中華の特徴
- 漫画や新聞が乱雑に置いてある
- 基本休み少ない
- 創業30年は過ぎている(昭和から続いている)
- 特別うまいわけではない
- 自宅が2階or近い
- 定食も結構ある(下手するとオムライスもある)
- 奇をてらったメニューは基本ない
- 家族経営
- 基本主人は寡黙だが、奥さんがそこそこおしゃべり
- 現金のみ
- 厨房が結構よく見える
- 配達も結構してる
- 地元のおっさんがよく来る
- 肉体労働の人がよく来る
- 瓶ビール
- テレビがある(夏は甲子園)
- 広すぎない(20席ないくらい?)
- たまーにバイトらしき人
- 手元メニューは雑めのパウチ
- そんなに遅くまではやってない
特徴は数え上げればきりがキリがない。
そのノスタルジーな雰囲気、新聞を読みながら作業的に麺やチャーハン、ギョーザをむさぼるおっさん。
どうでもいいワイドショーや、天気予報を無意識にみるお客さんたち。
無言でチャーハンを作りギョーザを焼くご主人。
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たまに配達に行っている、息子であろう若者。
前述した特徴の多くを満たしているお店は「町中華」と言っていいと思う。
なぜか足を運んでしまう、そんな魅力が詰まっている。
ただ町中華が好きという話だけだが、いつ行っても一定の人がいる町中華。
人を引き付ける要素もあると思うが、経営はどうなっているのだろうか?
安定した味と安定した経営「限界利益の高さ」
町中華の限界利益を考えていきたい。
※限界利益とは、売上から変動費を差し引いた時に残る利益のこと
- 変動費:仕入れ、光熱費、人件費(バイト)
限界利益(粗利)は、 売上 - 変動費(仕入れ・光熱費・人件費等)ではじき出す。
これにより、「売上高から出せるMAX利益額」がはじきだせる。
この限界利益とは、町中華を存続できる見込みがあるかどうかを判断する重要指標である。
限界利益から低位安定した固定費を差し引く「営業利益の高さ」
そこから固定費を差し引くと、営業利益が出る。
- 固定費は、家賃(自分の家の1F)、家族の人件費など
固定費は自宅兼お店の場合が多く、家族経営であれば人件費も大よそ読める。
固定費を低位安定させることで、しっかりと利益が出せる構造となっている。
これに加え、
- 地元の安定した顧客基盤とたまたま来たフラッと入るサラリーマン客、
- 雨の日にも配達できる機動力
これはサラリーマンでいうところの一定の条件のもと、定期的に入る副収入といったところ。
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さらに
- ラーメン、チャーハン、ギョーザという普遍的メニュー
- 定食等もあるので、実は中華の域を出ている守備範囲の広さ
- 気軽にいつでも入れる懐の広さ
これもしっかりとした基盤の上に成り立つ、+αの仕組みである。
多くの優位性を兼ね備えており、不況にも強いはず。
観察すればするほど、超優良企業に見えてくる。
町中華の経営を家計運営に当てはめると家計改善のヒントがある
長く続いている町中華は、もちろん努力もあるだろうが、
味や顧客基盤など様々なことが安定し、原価がだいたい読めるということは、経営の安定にもつながる。
新聞や雑誌、漫画、テレビのワイドショー、顧客のニーズにもしっかり応えている。
これらは苦しい家計改善のヒントにもなる。
固定収入と副収入、そして原価を低減させつつも家族のニーズにも一定程度答えていく、
そして固定費(住宅ローン等)を返済し、生み出された営業利益(貯金)を投資などに回していく。
こういった好循環をいかに形成していくかを考えるときに、
長く続いている町中華=超優良企業というのを頭の片隅に入れておくと良いかもしれない。
無駄なこと・華美なことはせず、きっちりニーズにこたえ安定した味を提供する。
簡単なようで難しいことだが、長く続く優良町中華は家計運営のヒントが詰まっている。