【2026年末まで(5年延長決定!)】意外と知らないセルフメディケーション税制とは?

【2026年末まで(5年延長決定!)】意外と知らないセルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制をご存じだろうか?

一見地味な制度ということもあり実際に制度を正確に理解している人は少ない。

 

これまで医療控除を受けるレベルまで達していなかった人も

所得控除を受けられるかもしれないお得な制度なので、知っておいた方が良いだろう。

 

セルフメディケーション税制って何なの?

日本の医療費は超ひっ迫状態と言え、更なる高齢化で国の医療費は増える一方。

そんな状況に歯止めをかけるべく、厚生労働省が打ち出した医療費控除の特例である。

2021年までの有限措置となっていたが、2026年12月まで5年間延長されることが決定した。

 

一定の条件を満たす人が市販薬を一定額以上購入すると、所得控除が受けられるというもの。

「病院に来るほどでもない軽度なものなら、できるだけ自分で薬買って手当してね」ということ。

 

セルフメディケーション税制 = 医療費控除の特例 (2026年12月まで) 

医療費控除とどう違うの?(1年10万円を満たさなくても適用される)

医療費控除と混同してしまうことがあるので、注意したい。

 

医療費控除は1年間(1月1日~12月31日)で10万円を超えなければ活用できなかった。

 

健康診断や予防接種等を受けている人で、対象の市販薬を年間12,000円(控除限度額は88,000円)を超えて購入していれば(家族合算可)、

その超える部分の金額の所得控除を受けられる!

 

控除を受けるための条件

  1. 所得税・住民税を納めていること
  2. 健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人 
  3. 対象となる市販薬を年間12,000円以上購入

医療費控除との併用はできないので、注意!

年間10万円を満たさなくても控除が受けられるということは、大幅にハードルが下がったと言える。

 

実際いくらくらい戻るの?

気になる「実際いくら戻るのか?」を実際のケースに照らし合わせてみていきたい。

課税所得400万円(所得税率20%、個人住民税率10%)の人が、対象の医薬品を年間50,000円購入した場合…

●控除額:50,000円-12,000円=38,000円 

●所得税の節税:38,000円×20%=7,600円

●住民税の節税:38,000×10%=3,800円

⇒節税額計:7,600円+3,800円=11,400円

 

医療費控除では受けられなかった恩恵である。

知って申請するだけで差が出る。

 

どんな市販薬が対象になるの?

当然ドラッグストアで購入できるすべての市販薬が対象になるわけではなく、

「特定のOTC医薬品」(医師の処方箋なしで買える医薬品)が対象。

 

対象品目は厚生労働省のHPに記載されているが、一部の製品には↓のマークがついているので目印にしたい。

 

適用を受けるための条件は?

最後に適用を受けるための条件を整理しておきたい。

簡単である。

 

  1. 対象となるOTC医薬品を購入した際の領収書を提出
  2. 定期健康診断等を受けたことを証明する書類(結果通知表、領収書等)を提出

上記2つの書類を通常の確定申告時に記入し、提出するだけである。

 

5年間延長されることが決定したので、恩恵を受けられる期間も長くなったことだし、

通常の医療費控除と比較してセルフメディケーション税制の方が有利ということであれば、必ず活用したい制度である。

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