バークシャー・ハサウェイの2021年 最新投資銘柄をチェック!
2021年に入り、株式市場は乱高下の様相を呈しており、今後の相場環境懸念が出始めている。
そんな中、投資の神様ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの
2020年末時点の新規投資銘柄が公開された。
新規投資銘柄を見ることで、今後の相場がどうなるかのヒントになるかもしれない。
バークシャー・ハサウェイの2021新規投資銘柄について
早速実際の新規投資銘柄を見ていきたい(各指標は2021.3.15現在)
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
米大手通信サービス業者。
- PER:約12倍
- PSR:約1,8倍
- PBR:約3.4倍
- 配当利回り:約4.5%
シェブロン(CVX)
米石油・エネルギー大手。
コロナパンデミックの中で最も苦しんだ業界の一つであり、その代表的企業とも言える。
- PER:ー
- PSR:約2,2倍
- PBR:約1.6倍
- 配当利回り:約4.6%
今回の投資金額規模で見ると、この2社への投資がメインと考えて良いだろう。
さらに、以下2社についても新規銘柄となる。
マーシュ・アンド・マクレナン(MMC)
米大手保険グループ。
- PER:約29倍
- PSR:約3.5倍
- PBR:約6.1倍
- 配当利回り:約1.5%
E.W.スクリップス(SSP)
米大手放送会社。
- PER:約12.3倍
- PSR:約1.1倍
- PBR:約2.1倍
- 配当利回り:約0.8%
指標等からは大きな特徴は読み取ることはできない。
新規投資銘柄4つの共通点はあるのか?
では、米の伝統的銘柄を相場的に割安とみて購入したのだろうか?
今回、投資金額の大きさからしてベライゾンとシェブロンが投資対象の中心である。
ベライゾンは有利子負債が少なく、経営基盤が安定しており、
ここ10年で見ても基本的には右肩上がりのチャートを形成している。
一方シェブロンはというと、コロナパンデミックで燃料需要の減少から打撃を受け、赤字転落となった。
エネルギー需要の懸念からエクソンとの経営統合を検討していたとの報道もあった。
チャート的には大幅下落から回復の基調を示しており、もう一段の上昇が見込めそうな形なっているように見える。
2社に共通しているのは、配当利回りの高さである。
- ベライゾン:4.5%
- シェブロン:4.6%
米国企業や通信・化石燃料産業の長期的価値に疑いはないという信念が見えつつも、
その中でも高配当を好むバフェット氏のスタンスを表した投資ではないだろうか。
バフェットは配当を重視する
もちろん高配当なだけで、銘柄を選択することはないが、大きな基準の一つであることは間違いない。
59年連続増配を続けるコカ・コーラや、58年連続増配を続けるジョンソン&ジョンソンなどの保有シェアも高い。
昨年、日本の5大商社への投資も話題になったが、各社の配当利回りを見ておきたい。
- 三菱商事:5.35%
- 三井物産:4.29%
- 伊藤忠商事:3.15%
- 住友商事:5.26%
- 丸紅:3.43%
割安判断もあったのだろうが、配当利回りが総じて高い商社株に食指を示したことからも、
配当重視のスタンスがよくうかがえる。
米国経済の先行きと、気になる長期金利・雇用統計
世界経済に大きな影響を与える米長期金利と雇用統計も気になるところだ。
直近では相場乱高下の局面も見え、ベンチマークはしっかり見ておきたい。
長期金利と雇用統計の状況「労働市場の回復はまだこれから」
コロナウイルスのワクチンが出回り、景気回復への期待の中、長期金利が1.62%まで上昇する局面があった。
これに反応するかのように、相場は一時乱高下状態となった。
一方2021年2月の米雇用統計は、6.2%と予想を上回る数値となったが、
市場参加率は61.4%と、実態雇用の回復は非常に緩慢であり、労働市場の厳しさは相変わらずである。
FRBの継続的な利上げが2023年に予想される中、コロナ後の利上げ前倒しの思惑が錯綜したのだろうか。
いずれにしても労働市場の回復状況を見ると、前倒しを検討できる状況ではないように見える。
前回の記事でも触れたが、FRBが設定した失業率4.1%がベンチマーク達成には、まだまだ時間を要すると思われる。
【2021年】日本はバフェット指数130超え!コロナ相場はバブルなのか?これからどうするべきか?日本株のバフェット指数は130を超え、この状態だけを見ると割高と言える状況にある。ついにバブル崩壊のサインなのだろうか?&n[…]
直近では、バブル相場懸念や長期金利上昇などの影響から、警戒感が高まっているように感じる。
高配当銘柄・バリュー銘柄への着目も一考「分散投資が基本」
「他人が貪欲になっている時は恐る恐る、周りが怖がっている時は貪欲に」
ここでバフェットの名言を思い出す。
コロナ相場の中でも慎重さと貪欲を兼ね備えており、しっかりとポジション調整を行っているように思う。
上昇基調でハイテク関連銘柄に市場が貪欲になっているときに、バリュー銘柄・高配当銘柄に着目し、
投資先を新たに組み入れ、安定的なポートフォリオ形成する動きを取ったのだろうか。
この格言を自ら体現するかのような、動きに感じる。
「分散投資は、無知を保護する手段」
もう一つバフェットの名言に触れたい。
これは逆にとると、判断基準が明確になくリスク許容できないなら分散投資をしなさい!
というように聞こえなくもない(笑)
もちろん判断基準が明確にあり、間違いなく確信が持てるのであれば集中投資を行うというのもありだと思うが、
多くの一般投資家はやはり「分散投資」が基本となる。
バブル相場懸念の中でも分散投資が基本
バブル相場懸念が尽きず、警戒感が高まっているように感じる。
バリュー株・高配当株物色の動きが出てきているようだが、ハイテク関連は下落の基調も見てとれる。
一方でハイテク株を警戒しているように見えるので、ここは貪欲に行くチャンスかもしれない。
いずれにしても「卵は一つの籠にもらず」安全資産の中での分散投資が基本である。
バフェットのポートフォリオから学ぶことは多いが、
いずれにしても自分のリスク許容範囲の中で自分なりのポートフォリオを形成していきたい。
※投資は各自の判断にてお願いいたします