贈与税の非課税・控除はうまく使いたい。税率は何パーセント?

贈与税の非課税控除はうまく使いたい。税率は何パーセント?

贈与税、その名前くらいは聞いたことがあると思うが、自分には関係ないと思っている人も多いはずだ。しかし調べていくうちに多くの人が知るべき制度であること、知っておくことで得をする可能性があることが分かった。

あまりなじみがない贈与税について、制度概要や非課税や控除をうまく活用する方法など調べていきたいと思う。

そもそも贈与税とは何なのか?

贈与税はなぜあるのか?贈与税は、そもそもなぜ存在するのか?ストレートな疑問から解消していきたい。個人間の金銭・資産の移動をしただけでなぜ課税するのか?自分の中で消化できていなかった部分である。

「贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。
会社など法人から財産をもらったときは贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。」

国税庁HPより

という記述がある。

 

法人=所得税 個人=贈与税ってこと??やっぱり、何でかかるのか?納得しにくい!

考え方として、「富の集中はダメ!」という前提がある。相続税はその典型的なもの。

 

「努力もせずに相続により、たまたま相続したことでそのまま富を継続するのはダメ!」

相続財産は、いわば不労所得だから国が回収して財源に使うことで、富の再分配を行うというもの。

なるほど。

じゃあ、「相続税が発生しないように生前に財産を分配しちゃえばいいじゃん!」という考えになり、結果相続税が安くなる。逆に財産分配してなかったら、相続税が高くなるという不公平が発生する。

だから生前に分配(贈与)され、相続税が課されない財産について、「贈与税」という税金を課すことによって、相続税を補完するというもの。

 

「贈与税」は不公平感をなくすため、「相続税を補完するもの」

そうだったんだ!

もう一つ、贈与税は「もらった人」にかかるものあげる人ではない、ここは間違いやすいので注意。

 

贈与税は「もらった人」にかかるもの

「相続税」と「贈与税」はセットで考えるべきものと知った。よく相続税と贈与税はどちらが得か?という話になるので、ここも調べたほうがよさそう。財産や相続人数などの条件が大きく左右するらしいので、

そのあたりは「ケースバイケース」だが、自分のケースに当てはめるとリアルになるだろう。

 

ほけんの時間

 

 

税率や金額はどれくらいかかるものなの?

それで、一番気になる税率や金額について、どれくらいの率で金額はどれくらいのものなのか?

【暦年課税(その年の1/1~12/31までの1年間に贈与された財産の合計額に応じて課税される方式)】

 

かつ、「一般贈与財産」の場合、以下の表が税率となる。

 

(2020年4月1日現在)

※兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用

国税庁HPより

 

「3,000万超で55%!!」まるで、ぼったくりバーのような税率に見えなくもない(笑)

ただ、基礎控除というものがある。年間110万円までは非課税

 

基礎控除=年間110万円まで非課税

 

なので、1年間に贈与でもらった財産価額合計ー110万円】をした残りに上記の速算表を当てはめることになる。

例えば、4,000万円の場合(基礎控除110万円をひいた残り)…

4,000万円×55%(税率)ー400万円(控除額)=1,800万円

1,800万円!そんなにかかるの??

 

ちなみに「特例贈与財産用」(特例税率)の場合は、以下の速算表を使う。

 

(2020年4月1日現在)

直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与税の計算に使用

国税庁HPより

 

同じく、4,000万円(基礎控除110万円をひいた残り)で当てはめてみる。

4,000万円×50%(税率)ー415万円(控除額)=1,585万円

これでも1,585万円!!クソ高い。

 

たまたま超無知な人が何の気なしに、子供に4,000万円贈与した場合(あんまないだろうけど)、

「はい~、1,585万円もらいま~す」っていわれたらおったまげるよね。。

 

無知は恐ろしい。

 

 

非課税(軽減)にできるケースもそこそこある

ただ、シチュエーションにより非課税(軽減)できるケースもそこそこある(それぞれ例外はあるのでそこは注意)。

 

暦年贈与は、年110万円まで非課税

→基本だが、暦年(1/112/31)で110万円以内は非課税。毎年使えるのでこれはうまく利用したい。

 

相続時精算課税制度

生前贈与をするときは2500万円まで贈与税を非課税にして、相続時に一緒に課税するね。」

というもの。個人的にはデメリットの方が圧倒的に大きい制度だと思っている。

これ使うと「暦年贈与110万円非課税を二度と使えない」

 

もちろんメリットがあるケースもあるが、これだけは覚えておきたい。この2つは、基本事項として結構知ってる人も多そう。

その上、追加で抑えるとすると。

(全部要件はそれぞれ色々あるので注意:ここでは細かいことは省く)

 

 

配偶者控除の特例(MAX2,000万円まで非課税)

居住用不動産or居住用不動産を取得するための資金を夫婦間で贈与した場合、

一定の条件を満たすとMAX2,000万円まで非課税。

 

住宅取得等資金の贈与非課税の特例(MAX3,000万円まで非課税)

 →直系尊属(父母・祖父母など)から資金提供を受けて、住宅を新築・増改築する場合。

一定の条件を満たすとMAX3,000万円まで非課税。

 

教育資金の贈与非課税の特例(MAX1,500万円まで非課税)

直系尊属(父母・祖父母など)から、30歳未満の人が教育資金に使うための金銭贈与があった場合、

一定の条件を満たすとMAX1,500万円まで非課税(30歳までに使いきれないと贈与税かかっちゃう)

 

結婚・子育て資金の贈与非課税の特例(MAX1,000万円まで非課税)

系尊属(父母・祖父母など)から、20歳以上50歳未満の人が結婚・子育て資金に使うための

金銭を贈与された場合、一定の条件を満たすとMAX1,000万円まで非課税。

 


 

他にも色々な特例があるし、特例を受けるための条件も抑える必要があるが、まずは挙げた内容を基本として抑えておけば十分かな。

但し、相続税との兼ね合いがある税制なので、相続税は別機会でまとめる。

 

贈与税なじみがありそうでない、身近そうで身近じゃない税制。これくらいは知っておいても損はないと思う。

 

ほけんの時間

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