不動産取得税はかからないことも!金額の目安は?

不動産取得税はかからないこともある⁉金額の目安は

不動産取得税は、不動産を売買・贈与等で取得したとき、また新築・増築したとき都道府県が課税する地方税。

取得時に一回だけかかる税金である。

 

あまり馴染みがないかもしれないが、どれくらいの金額が発生するのか、気になるところ。

その制度概要を知り、自分が実際の取引をするときをイメージしてまとめていきたい。

 

不動産取得税が課税される場合と課税されない場合がある

  • 有償・無償は関係ない:意外と知らないが、無償でも不動産取得税は課税される

  • 1日でも所有権があれば課税「不動産の移転」という事実に対して課税される。
    だから、所有権が1日でも発生していればかかるもの。
  • 相続の場合は課税されない:文字通り、相続の場合は課税されない
  • 課税標準額が安いと課税されない
    ①価格が10万円未満の土地を取得した場合
    ②家屋の新築、増改築にかかった金額が23万円未満の場合
    ③売買、贈与などにより取得した家屋の価格が12万円未満の場合

 

上記が「課税されるケース」と「課税されないケース」の主なポイントである。

 

実際どれくらいかかるものなの?

固定資産税評価額×4

 

これが基本。まず、「固定資産税評価額」というものがなじみが少ないが、何なのか?

各市区町村が算定する固定資産税の基準となる価格である。

 

毎年1月1日時点における標準地の正常価格であり、3年に1度見直され、公示価格の70%の水準が目安

 

「固定資産税評価額」= 各市区町村が算定する固定資産税の基準となる価格
毎年1月1日時点における標準地の正常価格である、3年に1度見直され、公示価格の70%の水準が目安

 

土地の時価の約70%が固定資産税評価額の目安といわれ、建物の場合は、新築時は請負工事金額の約50~60%が目安といわれる

毎年送付されれてくる「納税通知書」を見れば書いてある。

 

 

現在、特例により以下の軽減税率が適用されている。

 

  • 家屋(住宅用)、土地:3%(2021年3月31日まで)
  • 住宅以外の土地:4%

 

WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

 

 

軽減措置の様々なケース

細かい部分は省くが、代表的な軽減措置のケースを見ていきたい。

宅地の課税標準の特例

→文字通り、宅地の課税標準が1/2になる

 

不動産取得税=固定資産税評価額×1/2

 

新築住宅及びその敷地の税額の軽減

●建物

固定資産税評価額から、1,200万円を控除される

 

不動産取得税=固定資産税評価額1,200万円×3%

 

【条件】

  1. 課税床面積が50㎡以上240㎡以下
  2. 個人の居住を目的とした住宅全般に適用される

 

●土地

→不動産取得税額が一定額控除される

固定資産税評価額×1/2×3%ー控除額(下記アかイの多いほう)

 

(ア)45,000円
(イ)土地1m2当たりの固定資産評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(200m2が限度)×3%

 

【条件】

  1. 課税床面積が50㎡以上240㎡以下
  2. 個人の居住を目的とした住宅全般に適用される
  3. 取得から3年以内(2022年3月31日までの特例)に建物を新築すること(土地取得先行)/住宅を新築してから1年以内に、その住宅を新築したものが住宅の敷地(土地)を取得していること(建物建築先行)

 

中古住宅及びその敷地の税額の軽減

●建物

→固定資産税評価額から、住宅の新築時期により最高1,200万円を控除

 

不動産取得税=固定資産税評価額1,200万円(最大)×3%

 

【条件】

  1. 課税床面積が50㎡以上240㎡以下
  2. 個人の居住を目的とした住宅全般に適用される
  3. 1982年1月1日以降に新築されたもの/これ該当しないケースで建築士等が行う耐震診断によって新耐震基準に適合している証明がされたもの

 

 

【新築時期ごとの控除される額】※東京都の場合

新築された日控除額
平成9年4月1日以降 ~1,200万円
平成元年4月1日 ~ 平成9年3月31日1,000万円
昭和60年7月1日 ~ 平成元年3月31日450万円
昭和56年7月1日 ~ 昭和60年6月30日420万円
昭和51年1月1日 ~ 昭和56年6月30日350万円
昭和48年1月1日 ~ 昭和50年12月31日230万円
昭和39年1月1日 ~ 昭和47年12月31日150万円
昭和29年7月1日 ~ 昭和38年12月31日100万円

東京都主税局HPより

●土地
新築の場合と基本一緒。
数字だけ並べても分かりづらいので、実際のケースで見ていきたい。
【例】 5,000万円の新築一戸建てを購入した場合

  • 建物:評価額1,400万円 (延床面積90㎡)
  • 土地:評価額1,500万円(面積100㎡)

 

上記条件に基づいて計算してみる。

 

  • 建物:1,400万円1,200万円×3%      = 6万円
  • 土地:1,500万円×1/2×3%405千円※ = 0万円

※土地は以下のうち「高い方」の金額を控除できる

 

(ア)4万5000円
(イ)1,5000万円÷100m2(土地1m2当たりの固定資産評価額)×1/2×90m2×2(住宅の床面積の2倍)×3%=40万5千円

→(イ)の方が高いので適用

 

合計6万円という計算になる。
これ軽減されてなかったら…

 

  • 建物:1,400万円×3%     = 42万円
  • 土地:1,500万円×1/2×3% = 22万5千円

 

合計645千円になる。

 

この差の585千円が軽減の効果ということになる。

 

めちゃくちゃデカい。。

この軽減措置はかなり大きいので、対象の場合は確実に適用を受けるようにしたい。

 

対象となる場合は申告が必要

上記軽減措置が適用されるためには、原則として申告が必要。

申告先は都道府県の税事務所である。

申告期限が定められているケースがほとんどなので、

自治体のHP等でチェックして期限内に手続きをしたい。

 

万一期限内に忘れてしまっても、納税通知書がきてから手続きすれば適用されることが多いらしい。

忘れてしまったら都道府県の税事務所に確認

 

 

意外となじみが薄いので忘れがち

人にもよると思うが、人生で不動産を取得するケースは多くても数回程度だろう。

(投資とかでガンガンまわしている場合は別)
なじみが薄いので、あまり気にするケースも少ないが、軽減措置を受けるとの受けないのでは大きな差が生まれる。


自分の取得した物件が対象であれば、きっちりこの軽減措置を受けるよう手続きしたい。
無知は損することが多いので、まずはざっくり不動産取得税を理解しておきたい。

MONEYCONTEXTの最新情報をチェックしよう!